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今川義元、遠江国棚草郷の紅林次郎左衛門・同右京亮を、年貢未進と虚言の咎により、郷中追放に処す

(印文「義元」)

遠州棚草紅林次郎左衛門・同名右京亮、数年過分令未進之間、雖遂催促、不許容之間、以公方人令催促之処、一向未進無之由企訴訟之条、遂裁断之上、令致年来之勘定処、両人前七拾貫余之未進明鏡也、然上者両人構虚言企訴訟之段、為曲事之間、郷中追払、至于名職等者、新百姓可申付、若彼両人就令郷中出入者、堅可申付、然者郷中許容之輩共可追払者也、仍如件、

天文廿四 乙卯

  五月十四日

   村松源左衛門尉殿

   高林藤左衛門尉殿

→静岡県史 資料編7「今川義元朱印状」(静岡市有東 長谷川文書)

 遠江国棚草の紅林次郎左衛門・同じく右京亮は、数年間税を滞納し催促しても応じなかったため、公方人を使って催促したところ、滞納は一切ないとのことで訴訟を起こした。裁断を行なうため年来の決算を行なったところ、両名が70貫余りを滞納していることは明白となった。両人が虚偽の申し出をして訴訟したこととなり、曲事である。郷から追い払い、名職などは新たな百姓に申し付けるように。もしあの両人が郷を出入りするならば、堅く申し付けて、郷で手引きする輩も共に追い払うものである。

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