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上杉輝虎、小山氏が参陣するとの連絡を受け返書を出す

 猶々、如蒙仰、例式罷過疎遠候、全心底非無沙汰候、何様自是御礼可申達候、

依毎事取乱、遥不申達候条、内々可及御音信覚悟候処、遮而御懇書、殊料紙如員数被懸御意候、遠来一入秘蔵、辱畏入候、今度当口動事、早速御出馬故、此国過半一変候事、偏御余勢与本望無極候、小田原之議、定可被相抱候、永々御陣労雖奉痛候、此際簡要候間、暫被立御馬、調議被御意術事、所希候、恐々謹言、

三月十五日

景虎(花押)

小山 御陣下

→上越市史 別編1「長尾景虎書状」(小山氏文書乾所収)

1560(永禄3)年に比定。

 毎回取り乱しておりますので、ご連絡が遥かに遅れました。内々でご連絡する覚悟でおりましたところ、それを遮っての親切な書面、特に料紙を員数のようにお気にかけられ、遠来のものとして特別に秘蔵しているとのこと。恥ずかしく恐れ入ります。この度のこちらの前線について、早速ご出馬され、この国の大半は一変すること。ひとえにそちらの勢いだと本望極まりなく思います。小田原のことは、きっとお助けいただけるでしょう。長々と陣中の苦労をかけて痛ましいとはいえ、この機会が肝要ですからすぐに馬を立て、作戦に加わっていただければと願っています。
 追伸。仰せのようにいつも疎遠になってしまいますが、心底で全く無沙汰していたのではありません。色々とこちらよりお礼を申し上げるでしょう。

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