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長坂虎房、天野安芸守に遠山孫次郎への仲介を依頼

如御札先年駿府参会令申候、其以後信国就在郡程遠故、無音罷過非本意候、仍遠山孫次郎殿依于御進退之儀、山四郎為指越候、先以本望候、今度当口指立人数知久・下条・松房・市田被加退治候、就中知久・下条両所之事、今深就悃望赦免候、内々以此次遠山江可乱入之趣被申付候処、従貴所蒙仰候筋目則令披露候、因茲可任其意之趣被致納得候条、於我等も施面目候、然上者、不令異見急度被出人質出仕候様、御馳走可為簡要候、様体山四可有口上候、猶自今以後者可申通候、御同意可為本望候、此等之趣奥大御伝達頼入候、恐々謹言、

九月二日

長坂筑後守

虎房(花押)

天野安芸守殿 御報

→戦国遺文 今川氏編1176「長坂虎房書状写」(備後天野文書)

1554(天文23)年に比定。

お手紙のように、先年駿府でお会い申しました。あれ以後は信濃国に在郡しておりまして、遠いことゆえご無沙汰しておりました。本意ではございません。さて遠山孫次郎殿の進退のことですが、山四郎(山縣四郎?)を派遣しました。まずは本望です。今度この方面にさし立てた部隊により、知久・下条・松房・市田が退治されました。とりわけ知久と下条の両氏は今深(今福・今井氏?)が懇望しているので赦免します。内々に次は遠山へ乱入するよう命令したところ、あなたより仰せいただいた筋目を披露し、このためその趣旨で運ぼうということで納得いただきましたので、私も面目を施しました。この上は意見を挟まず、取り急ぎ人質を出して出仕するよう、奔走することが肝要です。様子は山四が口頭で伝えます。更に今から以降は連絡を取り合いましょう。御同意いただけますと本望です。このことは奥大(奥山大膳亮)にもお伝えいただけますでしょうか。

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